かるがも矯正歯科ブログ

顎を広げる???安易な矯正治療。

2016年06月01日

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写真のような取り外しのきく矯正装置があります。(この装置を広めている先生は矯正専門の先生ではありません。)

この装置についての相談が、矯正相談で一番困ります。

それは、前医(矯正専門でない先生によって行われた治療)によって行われた床矯正についてのセカンドオピニオンです。

「本当に治ってるんでしょうか?』尋ねられる場合と。

「引き続き治療して貰えないでしょうか?」と尋ねられる場合。

 

どっちも困ります。

なぜなら、私たちのような矯正専門医は、床矯正を行わないからです。(申し訳ないですが、この治療法は、現在主流のマルチブラケット法以前の昔の治療です。)

患者さんは、たいていの場合、未満児、小学生です。

親御さんは言います。「顎を広げてもらった。」

口の中を見ると見るからに、おかしな広がった歯列と、閉じれない口元。です。

そして、たいていの場合、検査もせずに床矯正装置が装着されています。

凸凹のの原因が、本当に顎が小さいからか?歯が大きいからかもしれません。検査をせずになぜ、なんでもかんでも拡大するのでしょうか???

歯のサイズが、大きい場合、顎を拡大したら、口元はカッパの様に突出しないのでしょうか?それは、適切な治療方法でしょうか??

また、下顎骨は、上顎骨と違い、拡大しにくい構造です。

小学生低学年ころであれば、自然に顎が広がっている時期です。装置を入れても、入れなくても同じ結果になる可能性が高いのに、この時期に検査もなく装置を入れるのは、問題だと思います。

このことは、私たち矯正専門医なら誰もが思っていることです。

もし、一般歯科医の先生に、顎を広げるという、拡大するという診断があったら、近くの矯正専門医に相談することをお勧めします。

なぜならば、広げすぎてしまった顎や歯列を、正しい矯正治療により元に戻すには、時間も費用もかかるからです。

新潟県 上越市 かるがも矯正歯科 (歯ならび 矯正歯科 歯列矯正)院長 新部 洋史

 

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